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アジアカップレポート

コノネンコ アレクセイ

今回アジアカップ遠征に審判、コーチ、通訳として参加させていただいて、塾長を始めとして全日本空道の皆様に感謝もうしあげます。

今回アジアカップ行われたウラジオストクに久しぶりに行きました。私の生まれた町はとても変わっていました。そして、その町で生まれた海外空道も大きく成長したと体験できました。昔はぼろぼろの体育館をかりて、ぼろぼろのマットで観客数十名の前で試合していた光景を今にも覚えていますが、今は全く違います。大きな会場で、プロの仕込みのステージで、数千人の観客の前にプロの司会者など試合の進行を進めて、選手たちはスターのように照明されているステージで戦いを見せた。大会の準備段階から関係者の皆はとても良い仕事を見せてくれて、大会の運営、選手団の受け入れなどをとても高いレベルで行いました。極東地域の空道連盟をはじめとして、ロシア空道連盟の皆さんに感謝しています。国際大会を行う能力を持つ場所の地図にもう1つのところ、ウラジオストク、が現れてきたに違いないです。

大会の選手は7カ国から90弱名が集まりました。海外から来た選手は少なかったため、トーナメント表に空いているところに地元のロシアの選手をいれて、ロシアの選手が一番多かったです。しかし、国際大会ですので、主催者のロシア連盟は海外選手が決勝に進めるように、海外選手を各階級でシードしてくれました。

大会全体を評価すると、前回の世界大会と同じようにロシアの選手は圧倒的な力で全階級を制覇していた。その中で地元のウラジオストクの選手の優勝者は一番多かったです。後で話を聞きましたが、優勝したウラジオの選手は全員少年部上がりです。ロシアで初年部は大人と同じルールでやっていますのでそのルールで長年でやると結果は当たりまえとなると思います。日本も最近少年部上がりの若手の選手が見えてきて、やはり大人の試合でもいい成績を見せています。日本の少年部のルールは違うので、そこで本来の試合ルールとギャップがあると思いますが、日本でも少年部上がりの選手に一番期待できるのではないかと思います。

ロシアの選手ですが、やはりフィジカルで強いです。とてもアグレシッブな戦い方していて、独特のスタイルが成立しているので、そのスタイルは今の空道に一番合っているようです。特別に技がきれい、など、うまいという分けではないし、かえってとてもシンプル、基本的なコンビネーションを徹底的に実行している。そして、打撃(パンチ)に焦点をおいている。空道のルールだと、やはり立ち技でパンチにより効果が一番とりやすい。相手をKOしなくてもある程度の強さのパンチが入ってくると効果になります。実際もアジアカップでKOシーンが少なかったです。しかし、ロシアの選手はパンチに自信があり、とてもアグレシッブでせめています、ガードの隙間を狙ってポイントをとるようにしています。フットワーク、ダッキング、頭の左右の振りをつかってとてもやりにくいパタンです。オリンピックボクシングによく似ているスタイルだと思います。

今回試合に参加した日本の選手ですが、もちろんそれぞれにスタイルが大きく異なっていますが、全体的にこのように見えました。先ず、パンチ力が弱いです。もっと腰を降ろして体重を預けたパンチのコンビネーションが必要です。次に決定力不足と思いました。色んな技をできていて、出していますが、何で確実にポイントをとるという決定技、計画性が見えなかったです。例えば、相手が近づいたら前蹴りで止めたり、組んだら投げたりするのはいいですが、その後に何で優先権をとる、ポイントをとるというような決定技がなく、結局ストップの前蹴りで終わったり、投げで終わったりして相手がその後にそのまま攻撃を進めていた。最後に気になったのはアグレシッブ不足です。適地で戦うことが難しいと分かりますが、日本の選手の「絶対勝ちたい」という気持ちが伝わらなかった。私の経験からいうとそういった気持ちは、スタミナとフィジカルが自信を作り上げるのでその自信の上に生まれるものだと思います。

世界大会までまだ若干時間がありますので、東塾長、コーチの皆さんの意見、声を聞いて、直せるところを直して世界大会に向けて行きましょう!

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更新日 2014.6.26